手づくりは最高のごちそう!
手間ひまをかけて作る楽しさ、美味しさを感じて学ぶ料理教室「食の学校」。
毎月テーマが変わり、色々なことに挑戦できます。是非ご参加ください。
令和6年7月8日。今回の食の学校は「老舗直伝「米麹の甘酒作り」」です。今回の講師は村瀬が担当します。令和2年2月6日に行った甘酒作りの講師の中山昌平さんが2024年4月28日、心筋梗塞により46歳の若さでお亡くなりになられました。
もともと関谷醸造さんが米麹を使って甘酒を作っていることをご紹介いただきスタートしましたので中山さんがいなければこの企画はありませんでした。本当に残念でなりませんが謹んでご冥福をお祈りいたします。
甘酒の歴史
麹によって風味が違います。関谷酒造の麹は乾燥してあり、常温での長期保存が可能です。例えばヤマキさんの麹は要冷蔵で半生タイプです。賞味期限も1か月半くらい。どっちが良いとかはなく、使用方法によって使い分けが必要です。
「麹甘酒」と「酒粕甘酒」
麹甘酒は、米麹が働いて分解が進む。蒸したお米と米麹、水を混ぜてタンブラーに入れておけば一晩でできあがります。米麹の酵素が米の澱粉質をブドウ糖や麦芽糖に分解。この『糖化』こそが自然な甘みの正体です。
一方、「酒粕甘酒」は酒粕が主原料になります。酒粕とは日本酒の製造工程でr出される副産物で『もろみ』と言われるものです。これも温めて発酵させるのですが、麹甘酒と違って砂糖を加えねばならず、自然な甘みという訳にはいきませんが、香りがよく、栄養価も素晴らしいですが、アルコールが若干残るため注意が必要です。よく、温度を上げて加熱すれば大丈夫と書いてあるものを見ますが、加熱してもアルコール分は残りますのでご注意下さい。
保温マグで作る
コツは温度を一定に保つことです。夏は65℃、冬は75℃くらいで仕込み、朝には35℃くらいになっているのが発酵が進む理想です。55℃くらいの状態が長ければそれが理想です。発酵が進みすぎると酸っぱくなる。逆にすごい高い温度だと麹が死んでしまいます。
温度が低すぎると分解が進まないので甘みが出ない。ふやけた麹になってしまいます。
75℃で入れて、時々振るを繰り返します。そして分解によって糖分に変わるのです。
甘酒の効果
髪の主成分を補う
ビタミンB2は皮膚や粘膜の保護保湿効果が高く、育毛には欠かせません。ビオチンという成分は、髪の主成分ケラチンの育成を促す働きがあり、髪の艶やハリが良くなる効果があるといわれています。
疲労回復
脳の働きには糖が必要と言いますが、脳に働くのはブドウ糖のみなのです。これが脳のエネルギーとなり疲労回復を助ける効果があると言われています。
腸内環境
甘酒に多く含まれるオリゴ糖と食物繊維が腸内環境に作用します。便秘に悩んでいる方にもおすすめです。
美肌効果
ビタミンB群には炭水化物、脂質、タンパク質をエネルギーに変えて代謝を促す効果があります。
肌の代謝を活発にし、老廃物が流れやすくなるので、美肌効果が上がります。
ダイエット
ビタミンB群は血行と代謝を促進させる効果があり、ダイエットに効果的だといわれています。
血圧を下げる
「ペプチド(複数のアミノ酸が繋がっている状態のもの)」と呼ばれるは、血圧上昇を抑制する成分が含まれています。
このように様々な効果があるため、飲む点滴といった代名詞が与えられているのでしょう。昔の人が食べ続けている食品には理由があるのですね。